〒399-4195 長野県駒ヶ根市北町22-1
TEL. 0265-81-6010 FAX 0265-82-3966

建設コラムColumn

ホーム 建設コラム 太陽光発電のメリットとデメリット 工場や倉庫に導入するなら今!?

太陽光発電のメリットとデメリット 工場や倉庫に導入するなら今!?

日付
2025年05月19日
カテゴリ
工場・倉庫
  • 太陽光発電のメリットとデメリット 工場や倉庫に導入するなら今!?

近年の電力価格の上昇や環境規制の強化により、自家消費型太陽光発電の導入を検討する企業が増加しています。特に工場や倉庫の広い屋根なら、太陽光発電システム導入のメリットには期待も膨らみますね。

本記事では、工場や倉庫における太陽光発電のメリットとデメリット、導入時の注意点について詳しく解説します。

 

工場や倉庫における太陽光発電システム設置のメリット

クリーンエネルギーとして注目の太陽光発電。企業にとってのメリットも様々なものがあります。

 

電力コスト削減効果

まず、工場や倉庫で太陽光発電システムを導入した場合、最も大きなメリットといえば電気料金の削減でしょう。

発電した電力を使用する「自家消費型」の電力消費で、電力会社からの購入量を減らすことができます。売電価格は大きく下落してしまった現在ですが、近年の電力料金高騰の影響を考えると、これだけでも大きな価値となります。

資源エネルギー庁の試算によると、工場や業務ビルでは太陽光発電による電力の自家消費率は約71%と高い水準です。電力消費が大きい製造業などではさらに、自家発電による電気料金の圧縮効果が期待できます。

24時間稼働する工場でも、日中の電力消費をカバーして契約電力のピークカットにつなげることで、基本料金の削減効果を狙うといった考え方もあります。

 

環境負荷の軽減と企業イメージの向上

メリットとしてもう一つ重要な要素は、太陽光発電は発電時にCO2を排出しないクリーンなエネルギー源であること。

工場や倉庫は一般的に広い屋根面積を持っているため、大規模な発電システムを設置できる可能性があります。例えば、1,000㎡の屋根に約100kWの太陽光発電システムを設置すると、年間約35トンのCO2排出削減に貢献できます。

環境意識の高まりから、再生可能エネルギーを積極的に導入している企業に対する社会的評価も重要な要素になってきました。環境への取り組みは、企業としてアピールできるものを一つでも多く持っておきたいものです。

 

進む開示制度の中でアピールできる企業に

単純なイメージだけでなく、企業に対して環境対策やその開示を求める動きも加速しています。

代表的な法律に「温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)」があります。特定の規模以上の事業者に温室効果ガス排出量の算定・報告・公表を義務付ける法律ですが、開示内容がよりすばやく公開されるよう制度の拡充が進んでいます。

エネルギー使用の効率化を目的とした「省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)」でも、特定事業者に対してエネルギー使用状況の報告や開示が求められています。

また、2027年より東京証券取引所プライム市場に上場する大企業に、「スコープ3」つまりサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量の公開が求められる動きもあります。これによって、その会社が排出する温室効果ガスだけでなく、取引先等含めた温室効果ガス排出の算定・公開が必要になり、関連企業への大きな影響が予測されています。

今後、エネルギー問題に関心のない企業は、大手企業から取引先として選択されなくなるリスクも視野に入れておきましょう。また、昨今のESG投資の広がりにより、環境への取り組みは投資を呼び込む要素ともなっています。

 

設備投資の税制優遇や公的補助金

太陽光発電設備の導入には、各種税制優遇措置が適用される場合があります。例えば、太陽光発電などの特定の設備を導入した際に「税額控除」か「即時償却」の支援が受けられる「中小企業経営強化税制」などがよく利用されています。また、容量や取得年度に応じて、初期投資時の固定資産税の軽減措置もあります。

さらに、国や自治体による補助金制度も活用することで、初期費用を抑えることが可能です。例えば、「需要家主導型太陽光発電・再生可能エネルギー電源併設型蓄電池導入促進支援事業」なら、一定の要件を満たせば1/3から1/2の費用が補助されます。

これらの制度は年度や地域によって大きく変更がありますので、導入を検討する際はまずWEBサイトで最新の情報をチェックしてください。

 

災害時の電力供給の確保

近年の自然災害の増加に伴い、BCP(事業継続計画)の観点からも自家発電設備の重要性が高まっています。停電によって生産設備が停止したり、在庫の品質管理に支障が出たりといったリスクにも、自家発電設備があれば最低限の電力を備えられます。また、蓄電池を組み合わせることで、災害時の非常用電源としてより安心な形を整えることができます。

太陽光発電システム導入と同時に、重要な生産ラインや冷蔵・冷凍設備などの電力供給を優先して考えるなど、優先度を分けて災害時の損失を最小限に抑える仕組みも一緒に検討するとよいでしょう。

 

工場における太陽光発電のデメリット

もちろんメリットばかりではありません。太陽光発電には高額な初期コストをはじめ、しっかりとデメリットもあることも確認しておきましょう。

 

高額な初期投資費用と長期のコスト回収期間

太陽光発電システムの導入でデメリットといえば、やはり高額な初期費用でしょう。

工場や倉庫向けの産業用太陽光発電システムは、規模にもよりますが、数百万円から数千万円程度の費用がかかります。システム容量50kWの場合、1,000万円を超える初期費用が必要となることが一般的です。

電力単価や発電効率、補助金の活用などによって変わりますが、工場での自家消費型太陽光発電の投資回収期間は10年程度と言われます。更に長期にわたることも多く、リスクも含めた慎重な投資判断が求められます。

以下の要素を考慮して、現実的なシミュレーションを立て、余裕をもって投資回収ができるよう進めていきましょう。

 

  1. 初期投資額(設備費用、工事費用、諸経費)
  2. 年間発電量(設置場所の日射量、パネルの性能、設置角度・方位)
  3. 電力削減効果(自家消費率、電力単価)
  4. 維持管理費用(定期点検、清掃、部品交換)
  5. 各種補助金や税制優遇措置

 

メンテナンスの必要性

メンテナンスにかかる費用と手間も、デメリットとして挙げられます。

パネル表面のほこりや汚れは発電効率を低下させるため、専門業者による定期的な清掃を行わなくてはなりません。また、パワーコンディショナーなどの機器は10~15年程度で交換の時期を迎えます。

工場地域では、周辺環境によって粉塵や排気ガスなどの影響でパネルが汚れやすく、メンテナンス頻度が高くなるケースも。設置したら終わりではないことは念頭に、定期的に発電量のモニタリング等を行って異変がないか確認しましょう。

 

天候や季節の影響

電力として見たとき、太陽光発電は、天候や季節の影響を受けやすいというデメリットがあります。

晴れた日と曇りや雨の日では発電量に大きな差が生じ、夜間は発電できません。また、冬季は日照時間が短くなるため、夏季に比べて発電量が減少します。24時間稼働する工場では、夜間の発電は期待できないため、電力会社からの購入でまかなう必要があります。

発電量が予定どおり行かない可能性があることを考慮し、余裕をもった電力の利用計画や投資回収計画を立てることが重要です。

 

太陽光発電導入の注意ポイント

工場や倉庫に太陽光発電システム導入を考えるなら、以下の注意ポイントも抑えておきましょう。

 

新築や改築時の導入がおすすめな理由

太陽光発電システムの導入は、できれば工場や倉庫の新築・改築時に併せて行うのが理想的です。建物設計の段階から設置を考慮することで、最適な屋根構造や配線計画が可能になるためです。

例えば、太陽光パネルは最適な傾斜になるよう調整するため、屋根自体は平らな方がよいのですが、既存の建物では理想的な設置条件が確保できないことも。また、屋上設備や排気設備があって、有効な設置面積が減少することもあります。

更には、屋根の耐荷重が太陽光発電システムに耐えられず、補強工事等に高額な追加コストが発生する可能性もあります。特に老朽化した建物では、導入の際は慎重に検討をする必要があるでしょう。

逆に言えば、工場や倉庫の新築や大規模な増築・改築は、太陽光発電導入のチャンス。せっかくの機会を逃さず検討してください。

 

市場動向と電力単価の変化

自家消費が中心といっても、ある程度の売電も考えるのであれば、電力単価の動向も重要です。2012年には買い取り価格が40円/kWhと、太陽光発電の普及促進のためとても高く設定されていた価格が、2022年には50kW以上で10円/kWhと大きく値を下げています。しかし、ここ数年で電力価格自体の高騰もあり、屋根設置の50kW以上は12円/kWhと、上昇傾向が見えてきました。

(参照:経済産業省 資源エネルギー庁WEBサイト

 

一方で、太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの機器価格は技術革新により低下傾向にあります。

この傾向が続けば太陽光発電の経済性はさらに高まる気配が。市場動向を見極めながら、最適な導入タイミングを判断したいものです。

 

併せて考えたい!蓄電システムの導入

蓄電システムは、文字通り電気を蓄える仕組みです。太陽光発電で日中に発電し、使い切らなかった分を蓄電池にためて、夜間に使用するといった使い方ができます。

太陽光発電のデメリットとしてご紹介した「天候や季節の影響」も、蓄電システムと一緒なら軽減することができ、特にメリットが大きい組み合わせといえるでしょう。

蓄電池も太陽光発電に負けない高額な設備ですが、現在では普及が進み、年々価格が下落してきました。国や様々な自治体で、蓄電池に使える補助金も用意されています。太陽光発電を考えるなら、ぜひ蓄電池も一緒に検討してみてください。

 

太陽光だけじゃない?導入を検討できるクリーンエネルギーの種類

太陽光発電は比較的導入ハードルが低いことから検討しやすくなっていますが、企業が導入を検討できるクリーンエネルギーには、その他にも選択肢があります。

例えば、以下のようなもの。

 

  1. 風力発電:設置場所の制約があるが大規模発電が可能
  2. バイオマス発電:廃材や廃棄物を利用でき、安定した発電が可能
  3. 小水力発電:工場内の水路などを活用できる場合に有効
  4. 地熱発電:地域によって導入可能性が異なる

 

各企業の立地条件や事業内容に合わせて、様々な可能性があります。視野を広げてみると、御社の特性に最適なクリーンエネルギーが他に見つかるかもしれません。

 

工場や倉庫の新築・改築のご相談はヤマウラへ

長野県・山梨県で工場や倉庫の建設を考えるなら、実績豊富なヤマウラへ!

 

太陽光発電の導入実例多数

株式会社ヤマウラは、工場や倉庫の新築・改築において、太陽光発電システムの導入を多数手がけてきた実績があります。自社でも多くの太陽光発電設備の導入を行った経験を活かし、お客様の施設に最適なシステムの提案をいたします。

工場や倉庫の新築・改築をご検討の際は、太陽光発電システムの導入も含めて、ぜひヤマウラにご相談ください。

 

 

SBT認証取得!環境への取り組みも先進的

ヤマウラは、Science Based Targets(SBT)の認証を取得し、建設現場においてもEV建機の導入など、環境負荷低減の取り組みを積極的に進めています。また、エンジニアリング事業部では小水力発電をトータルでサポートしており、自社でも小水力発電所の運営を手掛けています。

環境への取り組みを進める企業として、「スコープ3」の観点でも安心してお選びください。

 

 

TOP