建設コラムColumn
工場の建設費用、少しでも安く抑えたいものです。工場は建てて終わりではなく、その後の稼働・メンテナンスでも多額の費用が必要になってくるものなので、できるたけ建設費用を抑えたいがどうしたら良いか分からない方も多いでしょう。当記事では、そんなお悩みを持つ方のために、工場の建築費用を安く抑えるコツを4つご紹介します。ぜひ最後まで参考にしてみてください。
工場の建設費用を安くする4つのコツ
まずは工場の建設費用を安くする4つのコツを、以下のとおりご紹介します。
- 土地価格が安い地域に建てる
- 低コストな構造・工法を選ぶ
- 低コストな建材を選ぶ
- 補助金を利用する
土地価格が安い地域に建てる
工場建設費を抑えるには、まず土地価格の安い地域を選びます。地価が安いエリアを選べば、当然ながら建設費用を大幅に削減できます。
例えば、長野県企業立地ガイドによると、長野では現在次のような価格で売り出し中です。
- 上信越自動車道坂城インターに隣接した坂城インター工業団地なら24,900円/㎡
- 国道153号バイパスに近くの東原工業団地は13,600円/㎡
このような土地の情報はインターネットでも公開されていますが、詳しい話は地元の企業のほうが入手しやすいものです。長野・山梨でより安く利便性が良い土地を探したい方は、土地マッチングサイト「トチフル」を活用してみてください。事業用地の最新情報が掲載されています。
低コストな構造・工法を選ぶ
工場の構造や工法によっても建設費は大きく異なります。例えば、長方形に近いシンプルなデザインの建物にすると設計・材料・施工・管理の全工程で効率が良くなりコストも時間も抑えられます。
在来工法ではなく、システム建築にするだけでコストを抑えられたケースもあります。ただし、システム建築は複雑な形状や特殊なレイアウトに対応しにくいデメリットも。コスト削減だけでなく、用途や耐久性とのバランスも考慮して構法を選ぶ必要があります。
低コストな建材を選ぶ
建築費の半分程度を占めるとされる建材は、グレードや種類を変えることで費用を大幅に抑えられます。外壁や屋根など、大面積に使用する部材を見直すと、特に効果が大きくなります。
ただし、安価な建材は断熱性や耐久性が劣る場合もあるため、ランニングコストや耐用年数も見据えて慎重に判断してください。
補助金を利用する
また、国や自治体の補助金を活用し費用を抑えることをお勧めします。最近は建設費を補助対象とする補助事業もあり、採択要件に合致し採択されると事業費の半分近くを補助金で賄うことができる補助金もあります。工場建設に関係する補助金といえば、たとえば、製造業向けの「ものづくり補助金」や「大規模成長投資補助金」などがあります。
条件を満たせば数百万円〜数億円規模の支援が受けられる場合も。自社の業種や設備内容に合致する制度があったら、積極的に申請しないと損です。詳しくは後ほど解説します。
工場を建設する際の相場【構造別】
続いて工場を建設する際の費用相場を、構造ごとに解説します。
- 鉄骨鉄筋コンクリート造
- 鉄筋コンクリート造
- 鉄骨造
※費用は国交省の「建築着工統計調査(政府統計の相談窓口)」より引用しています。
鉄骨鉄筋コンクリート造
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の坪単価は約177万円です。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)は強度が高く RC造に比べ柱のスパンを長く取れるので大型工場に向いています。鉄骨と鉄筋コンクリートのハイブリッド構造で、スリムな柱でも構造的な安定性があります。高い耐久性と耐震性を求める場合はおすすめです。
鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート造(RC造)の坪単価は約218万円です。
RC造は、薬品製造や精密機器工場など、高い耐火性や気密性が必要で温湿度管理が重要な用途に向いています。長期的に安心して使えますが、構造が重いため、地盤改良が必要なケースもあります。地盤改良から着手するとなると、初期費用がかさむことになるので注意しましょう。
鉄骨造
鉄骨造(S造)の坪単価は約116万円です。
S造は用途やコストに応じた柔軟な対応が魅力で、コストと自由度のバランスに優れ、国内工場の約95%で採用されている構造です。短納期や標準仕様を求めるなら鉄骨造がいいでしょう。
ここまで3つの構造について相場と向いている工場の特徴を解説してきました。設備購入費用の考え方や土地取得費用の内訳についてもっと知りたい方は、次の記事も参考にしてみてください。
また、それぞれ坪単価でのコストの目安を記載しましたが、昨今の建設コスト上昇によってコスト状況が大きく変わり、また、建物の規模、用途、仕様によってかなり大きな幅がありますので、まずはヤマウラご相談ください。
工場の建設費用を安くできる補助金・助成金
工場の建設費用を安くできる補助金・助成金が気になっている方も多いと予想されるため、代表的なものを3つご紹介します。
- 中小企業成長加速化補助金
- 大規模成長投資補助金
- ものづくり補助金
今年度も同じ条件で募集しているとは限らないため、あくまで過去事例として参考にしてください。
中小企業成長加速化補助金
売上高が10億円以上100億円未満の、売上高100億円を目指す中小企業を対象としている補助金です。補助率は1/2 、補助上限額は最大5億円です。
補助対象要件は「100億宣言」を行っていること。投資額は1億円以上必要で、一定の賃上げ要件を満たす今後5年程度の事業計画の策定も必須です。
大規模成長投資補助金
中堅・中小企業による大規模な設備投資や拠点新設、省力化・自動化等を通じた賃上げを支援する目的で支給される補助金です。補助対象は中堅・中小企業(従業員2,000人以下)、投資額10億円以上です。
補助上限額は50億円で、補助率は1/3以内、従業員の賃金引き上げ計画も必要とされています。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者の設備投資や新製品開発を支援する補助金です。補助上限額は最大4,000万円で、補助額は従業員数等によって決められます。
補助率は原則1/2、賃上げ要件達成で最大2/3になります。従業員の賃上げに積極的な企業は特に有利です。
ただし、いずれも年度ごとに条件やスケジュールが変わるため、申請前に必ず公式サイトで最新の公募要領・要件をご確認ください。
まとめ
今回は、工場の建設費用を安く抑えるコツを徹底解説しました。ご紹介したコツを意識しつつ、補助金や助成金も活用すれば、建設費用を削減できるでしょう。
たしかに、工場の建築費用は高額になりがちなため、少しでも抑えたいものです。しかし、目先の安さだけを追求すると、後々の修繕費や光熱費がかさみ、結果的にコストパフォーマンスが悪化するケースも少なくありません。
例えば、冷暖房のエネルギーコストを削減するために断熱性能を向上させる、高効率の設備機器を導入する、自然光や風を活かすパッシブエネルギーを取り入れるといった工夫は、長期的なランニングコストの削減に直結します。
建設時の初期費用だけでなく、将来のコストも考えたバランスのよい建築計画を立てることが重要なのです。
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