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工場の建設で使える補助金をご紹介!概要と注意点も

日付
2025年07月31日
カテゴリ
工場・倉庫
  • 工場の建設で使える補助金をご紹介!概要と注意点も

近年、日本の製造業は労働力不足、原材料費の高騰、そして国際競争の激化など多くの課題に直面しています。このような状況下で、新たな工場建設や既存施設の拡張は企業の成長にとって重要な投資となる一方で、その資金調達は大きな課題となっています。そこで活用したいのが、国や地方自治体が提供する各種補助金制度です。本記事では、工場建築を検討されている企業様に向けて、補助金の工場建設に活用できる補助金をご案内いたします。

 

補助金とは?

まず、補助金とは何か、補助金の制度など概要についてご説明いたします。

 

補助金制度

補助金は、国や自治体が政策目標を実現するために事業者の新たな取り組みに対して、事業資金の一部を給付する制度です。

主に中小企業・小規模事業者の物価高対策や、構造的な人出不足等、経営環境の課題解決、経営力強化をすべく、政府は補助金の予算を確保し、支援を図ってきました。持続的な賃上げを図り、本年は新たに補助金が創設されました。

 

助成金との違い

補助金と助成金の主な違いは、受給のしやすさと目的です。補助金は事業の提案内容に基づいて審査を受ける必要があるため、応募者は審査を通過しなければならず、採択率が低いです。その為、要件を満たして申請すれば誰もが補助金をもらえるわけではありません。これに対し、助成金は条件を満たせば基本的に受給できるため、取得しやすいといえます。

また、公募期間も異なります。補助金は数週間から数か月など、限られた期間で募集されるのに対し、助成金は年中通して募集されることが多いです。このため、計画的に準備が必要な補助金とは異なり、助成金は必要なタイミングで受給を狙いやすいのが特長です。

 

工場建設に活用できる補助金は?

 

工場を新築、増築等の建設をご計画する際に活用できる補助金をご紹介いたします。

補助金の公募期間に注意頂きながら、事業に合った補助金を確認しましょう。

 

工場建設で活用できる主な補助金

・中小企業成長加速化補助金

・新事業進出促進補助金

・大規模成長投資補助金

・ものづくり補助金

・輸出向けHACCP等施設整備事業

 

上記の補助金について、概要を説明いたします。

 

中小企業成長加速化補助金 ※今年度創設

売上高100億円を目指す成長志向型の中小企業に対して、大胆な設備投資を支援し、企業の飛躍的な成長促進を目的とした補助金。

対象者 売上高100億円への飛躍的成長を目指す中小企業
対象経費 建物費、機械装置等費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費
補助上限額・補助率 5億円・補助率1/2
補助要件 1. 投資額1億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)
2. 「売上高100億円を目指す宣言」を行っていること        
3. その他、賃上げ要件など

参考:中小企業成長加速化補助金(100億宣言)ページ

 

中小企業新事業進出促進補助金 ※今年度創設

既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等の支援を行い、企業の成長・拡大を通した生産性向上や賃上げを目的とした補助金。

対象者 企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等
※申請締切日を起点とし16ヶ月以内に事業再構築補助金、ものづくり補助金の採択された事業者を除く
対象経費 建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、
クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費
補助上限額・補助率 従業員数20名以下:2,500万円   従業員数51~100名:5,500万円 
従業員数21~50名:4,000万円   従業員数101名以上:7,000万円
  ※大幅賃上げ特例適用事業者の場合、補助上限額を上乗せ
補助率1/2  (補助下限額750万円)
補助要件 1. 付加価値額の年平均成長率が+4.0%以上増加
2. 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金の
  直近5年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加
3. 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における地域別最低賃金+30円以上の水準
4. 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等

参考:中小企業新事業進出促進補助金ページ

 

大規模成長投資補助金

地域の雇用を支える中堅・中小企業による大規模な投資を支援し、人手不足などの経営課題に対応しながら企業の成長と地方における持続的な賃上げを実現することを目的とした補助金。

対象者 中堅・中小企業
(中堅企業:従業員数 2,000 人以下、みなし大企業除く)
対象経費 建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費
補助上限額・補助率 50億円・補助率1/3以内
補助要件 1. 投資額10億円以上
2. 賃上げ要件

参考:大規模成長投資補助金ページ

 

ものづくり補助金

中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援し、中小企業の成長力や、地域経済の活性化を図ることを目的とした補助金。

対象者 中小企業・小規模事業者等
対象経費 <共通> 機械装置・システム構築費(必須)、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費等
<グローバル枠のみ> 海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費
補助上限額・補助率 製品・サービス高付加価値化枠
750万円~2,500万円(中小企業:1/2)
          (小規模・再生事業者:2/3)
グローバル枠
3,000万円(中小企業: 1/2)
     (小規模事業者:2/3)
補助要件

1. 「付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)」が、年率平均+3%以上増加する
  こと
2. 年平均成長率が都道府県の最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、
  又は「給与支給総額」が、年率平均+2.0%以上増加すること
3. 「事業場内最低賃金」を、地域別最低賃金の+30円以上の水準にすること
4. 一般事業主行動計画を公表

参考:ものづくり補助金ページ

 

食品産業の輸出向けHACCP等施設整備事業(食品工場向け)

食品製造事業者や流通事業者がHACCP等の国際基準を満たす施設整備を行う際に支援し、輸出向けHACCP等の認定取得や輸出先国の衛生規制に対応するための施設整備を後押しすることを目的とする。

対象者 食品製造事業者、食品流通事業者、 中間加工事業者など
対象経費 施設の新設・増築、改修、機器導入費、
HACCPの教育・実践指導
補助上限額・補助率 250万円 ~ 5億円(6年度補正)
 ~ 0.5億円程度※(7年度当初) ※下限無し
補助率1/2
補助要件 1. GFP(農林水産物・食品輸出プロジェクト)への登録
2. 企業・事業所内にHACCP導入のチームが編成されていること
3. 輸出先の国・地域が決定し、輸出品目(製品)の市場と規制の分析が行われていること   など

参考:食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業ページ

 

「助成金」をご紹介

〇長野県・長野県産業投資応援助成金

長野県産業投資応援条例に基づき、生産性が高く地域経済を牽引するとともに、令和32 年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることに取り組む環境にやさしい企業等の県内に一定額以上の生産設備を取得や一定数以上の常勤雇用者を新たに雇用する取組みに対し助成金が出ます。

対象者 製造業、自然科学研究所、倉庫業
対象経費 建物、機械設備等の投資経費
助成上限額・補助率 10億円 
助成率 建物・設備等の取得費用の最大21%
助成要件  1. 一定数以上の投資、雇用
 2. SDGsや温暖化対策関係の認証取得等
 3.ISO14001 or エコアクション21の取得
申請期限 工事等に着工する30日前まで
※適用期限:令和3年(2021年)4月1日から令和9年(2027年)3月31日まで

参考:長野県産業投資応援助成金ページ

 

山梨県・山梨県産業集積促進助成金(製造業)

山梨県内において製造業等の立地事業を行う者、本社機能移転等を行う者等に対し助成することにより、活力ある産業集積の促進及び雇用機会の拡大を図ることを目的とした助成金。

対象者(業種) 製造業者、物流業者、データセンター、試験研究所
対象経費 建物、機械設備等の投資経費
助成上限額・補助率 3億円~50億円
補助率
 (1)新たに土地を取得し工場等を建設する場合(取得から3年以内の操業)
   投下固定資産額(土地取得費を除く)の4%
 (2)自社所有地に工場等を建設し、操業する場合
   投下固定資産額(土地取得費を除く)の2%
 (3)空き工場等を取得し操業する場合
   投下固定資産額(土地取得費を除く)のうち建物2%、機械・設備4%
 (4)試験研究所又の場合
   投下固定資産額(土地取得費を除く)の2%
  ※投下固定資産額が200億円を超える部分は一律2%
  ※加算要件あり
助成要件  (1)県内において土地または借地権(条件あり)を取得して工場等を設置し、操業を開始すること
 (2)投下固定資産額(土地取得費を除く)が3億円以上であること
 (3)操業から1年以内に常時雇用労働者が10人以上増加すること(データセンターは5人以上)
申請期限 操業開始の届出の日から1年以内までに申請

参考:山梨県産業集積促進助成金ページ

 

※補助金のご活用を検討される際は、最新の公募要領をご確認下さい。

 

補助金活用の注意点

補助金を活用するにあたり、注意する点をご案内いたします。下記の内容に注意し補助金の活用を検討しましょう。

 

補助金ありきで計画するのはNG

前述で述べたように補助金は補助要件に満たせば、誰もが採択されるわけではありません。補助金ありきで工場の計画を進めると、万が一補助金が活用できなくなってしまった場合、計画が成り立たず計画をし直すことになってしまいます。補助金が活用できなくても成り立つ事業計画を立て、補助金はあくまで「手段の一つ」として考えるのが良いでしょう。

 

原則、事業終了後の「後払い」

補助金は、採択され交付申請したらすぐに納付されるわけではありません。原則、事業終了したら「実績報告書」を事務局へ提出し完了の検査を経て、納付されます。その為、計画に掛かる費用(補助対象となる費用)全額を立て替える必要があります。事前に銀行等融資先に相談しておきましょう。

 

無理のない事業計画を立てる

補助金ごとに補助要件等異なります。主に売上や雇用、賃上げの上昇などの要件がありますが、二次、三次公募など公募を重ねるごとに要件が厳しくなる傾向です。採択されるために無理に計画をしてしまうと採択後、事業が厳しくなってしまい計画通りにいかないケースもあります。なお、補助金は「具体性」や「実現性」も重要です。事業計画書を作成する際、「具体性」や「実現性」に注意いただきながら、無理のない計画をしましょう。

 

交付決定後に事業開始される

補助金の採択を受けたら、「交付申請書」を作成し事務局へ提出します。提出された「交付申請書」をもとに事務局が審査をした後、「交付決定」となります。この「交付決定」をされてから事業を開始することができます。交付決定前に発注した経費、契約の締結は補助金の対象外になってしまいます。交付決定から事業完了期間までのスケジュールを関係者と擦り合わせをしておきしょう。

 

長野県・山梨県で工場を建築するならヤマウラへ

工場の建設する際に補助金の活用できると事業のサポートになり、事業の安定に繋がります。前述の注意点を抑え、ぜひ補助金の活用を検討されると良いでしょう。

 

 

ヤマウラでは、お客様に合った補助金のご提案が可能です。今までにも補助金に携わった事例もございます。ご要望次第で提携の補助金コンサルタントもご紹介致します。ご気軽にご相談いただけたらと思います。

 

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