2024.01.29
1月も数日で終わりとなると、そろそろ確定申告の準備に取り掛かる方も多いかと思います。
両親が居住用にされていた家も、残った一方の親がお亡くなりになると相続人の何方も引継
がず空き家になってしまうケースがあります。相続財産も非課税枠の範囲だと相続手続きに
無関心で実家の名義変更もしないまま何代も手付かずにされているお宅があります。
R5年の法令改正により、R6年4月1日から「相続登記等の申請」が義務化され正当な理由が
なければ10万円以下の罰金となります。具体的には登記官が義務違反を把握した場合、義
務違反者に勧告書が届き期限内に登記がされない場合、登記官は裁判所にその申請義務
違反を通知する流れです。※登記変更ができない正当な理由がある場合は、登記官に伝え
て判断を仰ぎます。法務省の申請義務化に関するQ&Aは⇒こちら
登記変更への罰則だけでなく「特定空家」や「管理不全空家」として指導されても改善がない
場合、これまで住宅用地の特例で固定資産税が1/6だったところ、特例適用されなくなると
固定資産税が6倍になってしまいます。
国土交通省の空家等対策に関する特別措置法は⇒こちら
もしも今後の維持管理ができなかった場合、譲渡を検討されるのなら期間限定で特例措置
があります。空家の発生を抑制するための特例措置(3000万円控除)の拡充・延長は⇒こちら
居住用としていた住宅を住まなくなって空家にしておくと、防犯・防災上も危険になります。
相続人間のトラブルが原因で空家となっている場合もありますが、それらが早く解決して3年
以内の売却であれば、建物の使われ方や耐震基準等の要件によっては、譲渡益から3000
万円控除される特例がR6年1月1日から4年間延長になりました。昨年迄の要件は買手を探
す前に取り壊さなければならず、住まなくなってから3年以内に売却しなければ要件に合わ
なかったので狭き門でしたが、R6年度からは買手が取り壊して要件を整えても制度利用が
可能になりました。制度の改定は⇒こちら
只、この制度を利用する場合、翌年の確定申告書に各市役所の環境課が発行する「被相続
人居住用家屋等確認書」を添付する必要があり、それを受理されるには多くの資料の提出と
時間が掛かります。必要書類を集めるだけでも時間が必要ですし環境課の確認や精査にも
時間が掛かりますので、3ヶ月から半年先になることもあります。取壊しが買主に移行できた
ことで、各市町村から取り壊しに伴う補助金(MAX100万円)制度もありますが、それを使う場
合も申請から承諾迄には時間が掛かる為、譲渡日の翌年2月15日までの取壊しが間に合わ
なければ、逆に「空家の3000万円控除特例」は使えなくなってしまうことも、、、、
仲介に入った業者が買取れば補助金は使わずとも空家特例を生かすことはできそうです。
その時代に合った時限立法は上手に利用しなければ間に合わない事がありますので、確実
にできる方法を親族でジックリ話合いながら進めましょう。
※詳しくは税理士や市町村役場の環境課に相談してみてください。
市川のひとりごと、、、でした。
株式会社 financial proxy
1995年に長野県初の独立系FP会社を設立。日本FP協会認定教育機関として、FP養成講座を開講。現在は、セミナーの他、専門家の協力を得ながら財産コンサルに伴う相続対策・住宅ローン相談や保険の見直し等、生活にまつわる資金設計を行う。
ヤマウラ様とのお付き合いは25年を迎え、毎年社内の営業担当者向け勉強会を実施、また、個別相談も承っております。
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