2025.05.30
昨年の夏以来、米不足により価格も高騰しています。「コメは買ったことがない」 発言で顰蹙を買った
元農水省の江藤氏でしたが、この辺りから国民の米に対する関心が更に高まり、米不足の現状を理解したのでは。。
只、ナゼ今になって米不足や価格が高騰する流れになったのでしょう。遡ってみても目立った災害や気象変動は
考え難く思い当たるとすれば、ここ10年間の減反政策にあるようです。米農家を維持するための損益分岐点は、
17ヘクタール以上の米農地を所有して年間280万円の黒字になると報告されています(三菱総合研究所調べ)。
当然これに満たない 小規模農家さんは赤字に苦しんでおられます。減反などせず、国内需給で余った分は
輸出にまわしていれば供給が不足する事態にはならなかったのでは。
トランプ大統領は、アメリカ産の米の輸入自由化を求めていますが、政府は国内産の高くて美味しい米が
売り負けてしまう懸念から自由化を拒絶しています。今後の関税との兼ね合いもあり判断は難しいと思われます。
現状についてJAも農水省も米は不足していないと主張していますが、では米は何処に消えてしまったのでしょう。
昨年夏の猛暑による品質低下や南海トラフ地震の注意報から買い置きの拡大が引き金に。
江藤大臣の更迭により小泉新農相は即座に「備蓄米」の事業者への売り渡しを進め、6月の第1週目から店頭に並ぶ見通しです。
小泉農相の記者会見は⇒こちら
只、備蓄米は2021年産と2022年産の古い米ですが味はどんな感じでしょうか。
27日に開催された国際コンファランスでは、日銀の植田総裁が講演され「国内の予想物価上昇率は
1.5%~2.0%の間にあり、30年間で最も高い水準だ」と述 べています。日経記事は⇒こちら
1995年のコメの流通自由化によりJA(農業協同組合)以外の取引参加の拡大から買付競争が激化し、
今では前年比2倍超の価格水準まで上がったことも物価上昇の一因とすれば前 江藤農相の
「コメの価格にはコミットしない」と言い切っていた件も小泉新農相が下げに回る動きを進めれば
物価上昇率に反映して、利上げのタイミングも様子見が続く可能性もでてきます。
究極は国民の主食となるコメの確保が第一優先です。そこに異常気象で生産量がなおも減ってしまえば
深刻な米不足に陥ってしまいます。もっと先を想定した対策を真剣に検討していただきたいものです。
~市川のひとりごと、、、でした~
株式会社 financial proxy
1995年に長野県初の独立系FP会社を設立。日本FP協会認定教育機関として、FP養成講座を開講。現在は、セミナーの他、専門家の協力を得ながら財産コンサルに伴う相続対策・住宅ローン相談や保険の見直し等、生活にまつわる資金設計を行う。
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