2022.08.05
都市計画法の開発行為と開発許可
建物を建てる時には、事前に建物が適法であるか「建築確認」の手続きを行いますが、その建築のため、土地の整地などを行う場合、都市計画法により造成に関わる“許可”が必要となることがあります。
建物やコンクリ―トプラント、ゴルフ場など建設を目的に「土地の区画形質の変更」をすることを「開発行為」といいます。
ここでいう区画形質の「区画」の変更とは、道路や水路を新設したり廃止、移動をすることで土地の区画を変更することをいい、「形」とは土地を盛ったり(盛土)、すいたり(切土)して形状を変更することをいい、「質」とは農地や山林、雑種地などの土地の用途を宅地に変更することをいいます。
開発行為は、駅舎や学校、ゴミ処理施設などの公益施設や国や都道府県、市区町村が実施する場合などを除き、規制区域の区分や面積により、造成前に「開発許可」が必要になります。
「開発許可」は、都市計画法の規制区域が市街化区域に指定されている場合では1,000㎡以上で、市街化について線引きがされていない区域では3,000㎡以上の土地の開発の時に許可を必要とします。
開発許可を必要としない基準
市街化区域 | 市街化調整区域 | 非線引区域 | 準都市計画区域 | 区域外 |
1,000㎡未満 | 面積による例外なし | 3,000㎡未満 | 1ha未満 |
※実際にはこれ以外にも許可要否の要件がありますので、確認をされてください。
工場・倉庫等で広い敷地で計画するときは、都市計画法の規制区分と敷地面積を確認することが大切です。また、既存の施設に隣接して増設する場合、既存施設の敷地面積と合算となることにご注意ください。
開発許可の申請は、長野県では長野市と松本市を除き長野県の建設事務所へ各市町村を通して提出となります。長野市と松本市の場合は市が申請窓口で許可権者となります。
申請には、道路や下水道、水路などの管理者と協議し同意手続きを経て、下記のような手続きで開発許可の工事を進めることになります。
開発許可の申請手続き
権利関係の調査や測量、関係機関・申請窓口との事前の協議は数カ月におよび、規模にもよりますが造成工事に着手するまで半年程度かかります。農地を宅地化する場合は農地法の農地転用許可の手続きを同時に進めることになり、更に多くの関係者と協議し同意手続きとなるため時間は更にかかることになります。
また、建築工事は開発許可の完了広告後でなければ原則着手できず、たとえば効率的に工事を行うため造成工事と同時に建物の基礎工事に取り掛かることはできません。その分、工事スケジュールは余裕を見て計画することになります。
工場・倉庫計画において開発許可が必要な場合は、想定する工場等の操業開始時期から逆算し計画のスケジュールを組むことが重要です。まずは一度、ヤマウラへご相談ください。